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受験勉強で君は史上最高の自分になる

18面記事

書評

関 正生・伊藤 賀一 著
疑問や悩みに明快なアドバイス

 書名が実にインパクトがある。どちらかというと受験勉強は揶揄されがちである。しかし、著者の二人はきっぱりと言う。

 <この世をつくっているのは「学歴を持った人たち」ということは、紛れもない事実なのです>

 確かにそうである。こと教育問題に限っても、教育改革を進める政治家や文科省の役人も皆、学歴がある方だ。その教育改革を批判する方も、実は学歴のある方ではないか。
 著者の二人は予備校講師。二人の主張は説得力がある。
 次の一節こそ本書の神髄である。

 <大学に行けば「可能性の間口」が広がる。その選択肢がある自分を幸せと思い、一歩踏み出そう。大人になって「食べていく」ために>

 今現在、大学進学を目指して一生懸命受験勉強に取り組んでいる全ての高校生に送りたい言葉である。
 本書は「受験勉強は人生で役立つ」というコンセプトで、構成されている。例えば、「『受験勉強』って意味あるの?」という疑問について「天才たちが苦労して発見した『真実』を一瞬で教えてもらえる。こんなチャンスは一生ない」などと、受験に関する疑問や悩みを解決に導く。
 進路指導をしている高校の教師にとっても、有益になるだろう。
(1430円 宝島社)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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