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一刀両断 実践者の視点から【第274回】

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物言う校長への処分

 やはりこうなったかと感じられた記事が出た。
 《「物言えば唇寒し」でよいのか…松井市長批判し訓告の元校長が申立書》(朝日新聞社)という見出しの記事がある。この校長への処分が下された際には、首長に見識と器がない事や、教委の番頭体質が分かりやすく現れたと感じたことを記憶している。
 学校を支えるからこそ教委があり政治もあるが、これを勘違いしている面々があまりに多い。児童・生徒の保護者は税金を支払っている。いわば公務員の雇用主である。
 児童・生徒の教育環境を適正に整えるのが教委の仕事であり、現場監督がその状況に合わせてやるのは当然の事である。
 とかく、行政はものと金を配布して議員の質問に備える傾向がある。
 この事例の場合、校長の意見は最大限に尊重されるべきであるが、校長会としての申し入れがなされなかった事に疑問も感じる。ここにも教委の顔色を見て忖度した事が推測される。
 このような校長の行動があったとしても、「話は聞きましょう」と言う度量が欲しいものだ。
 私は教頭の時に同じような事をしたが、年度末に県行政へ異動となり、校長では取らないと当時の教育長が言っていたと聞こえてきた。笑えた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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