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生徒指導~小学校段階での考え方~【第19回】

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「指導」と「納得」

 「指導」とは、そもそも何か。指示や伝達なら、動画でも音声でも文書でもメールでもできるのである。今後さらにAI(人工知能)がやってくれるかもしれない。指導は何のために行うのかといえば、望ましい言動ができるためである。そのためには納得の域にまでいかないと行動が生まれない。では日常の指導の中で納得という域にまで及んでいるかというと、残念ながら対症療法という気がしてならない。
 ちまたでは心療内科がどこも賑わっている。その主な治療は対症療法による投薬のように思う。それでは解決はしない。先日、根本療法を奨励する医師と面談した。納得できる説明と人間への慈愛、深い洞察が感じられた。問診も受診者が納得できるまで受け止めて質疑をする。
 これは医師にも教師にも求められる姿勢ではないだろうか。その納得を図るには信頼関係の構築が基本となる。この信頼関係を意識し始めるのが小学校段階なのである。嫌なことがあっても先生が好きだ。この信頼の土壌の上に行われる生徒指導や生活指導のみが納得の域に届くのではないろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~