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生徒指導~小学校段階での考え方~【第59回】

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教師間のいじめ問題に思う

 生徒指導やいじめを指導する教師による教師へのいじめ事件に、愕然とした方も多いだろう。その異常さから要因を指摘出来る人は少ない。しかし、現に起きているのである。
 似た例を思い出した。中堅リーダー教員の研修会を担当したとき、全員起立して歌を歌いながら楽しく終わろうとした時のこと、目の前に座っていた若者が一人だけ立たずに最後まで頬杖をついていた。
 さっそく、個別指導をし、校長にもなぜこの若者が学校の代表なのかを聞いて、その醜態を説明した。すると思いもかけない回答が返ってきた。「本校のホープなんです。大変な中を研修にも行ってくれて、本当によくやってくれているんです」と絶賛していた。校長もつい先日まで行政にいたはずなのに、この始末である。
 直接、本人を呼び出して指導をしようとしたところ、校長が「私が責任をもって指導しますから」と、まるで身内のように対応した。あきれた。
 身内に甘く、頼りにしている場合は、さらに大甘になる。それが職員を慢心にさせ、暴走させてしまう。身内に私情を払い、厳しく対処できる人物がかなり少なくなった気がする。人は表裏一体ではない。そこを見抜き、指導するために組織が存在する。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~