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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第53回】

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著作権への理解を

 ある著名な方から相談を受けた。自分の講演した内容が、ほとんどそのまま引用・盗用されて本が出版されたというのである。早速、拝見するとかなりの箇所が引用されていた。本人に断りもなしに巻末に出処としては示されているが、人格権からしてあり得ないほどのレベルである。
 こうした盗作は概して自分の言葉に摩り替えても、違和感を醸し出しギクシャクするものである。しかしだ。これが訴訟になっても勝ち目がないという弁護士は多い。すなわち、労多くしての部類で長期になるというのだ。

 肖像権や著作権は、その人格によりなされたもので人権そのものであるが、これが裁けないのだから法の非力さを痛感させられる。この本をベースに、著名な専門家として評価され多くの講演をし、立場も得ているようだ。

 著作権という権利について私どもは未だに理解が浅い。危機管理に詳しいはずの人が校長となって素朴な質問してきたことがある。ある音楽に乗せて学校の愛唱歌を作りたいが、これまずいのかな、との質問であった。
 発売されて10年は過ぎているが権利は残っている。こうした人格をも侵害する危険を曖昧にすると前記のような不埒ものが育ってしまう。ならば何処で、どのように教えるのか。
 極めて曖昧である。冒頭の本の著者は、法の抜け道を知った上での戦略で盗作したのであろう。このたび、法科卒で総務官僚、そして緊急事態宣言をよそに歓楽街へ出向いた国会議員がニュースとなった。そこで支払われた代金も血税である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」