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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第63回】

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「コロナ」と山中教授

 新型コロナについての認識の差が広がっている。この認識を徹底出来ないところに人間社会の難しさがある。IPS細胞で知られる山中伸弥教授がその認識の違いを率直に、質問していた。正直2点の驚きがあった。

 ひとつは、山中教授でさえも私達と同じ疑問を感じながら生活しているということである。そして、もうひとつは、インフルエンザとはまるっきり違う性質をもった恐ろしさがあるということである。
 中でも、早期に封じ込めにかかった北海道の対応成果を期待していた。また、国によっては早期対応で事なきを得ている場合や隠蔽やフェイクで虚飾しているところもある。その中で、大切なのは不易と流行の情報を判断する事にある。

 研究者は、分野分野で詳しい専門性を持ってはいるが、分野が異なると素人であり、その認識や疑問や判断は何ら私達と変わりはないと言うことである。山中教授の動画配信には、誠意はあれど拡張もフェイクもなく研究者としての真摯な姿勢が見て取れた。そして知らぬまに安易に思考していた自分を恥じると共に、この配信に心から感謝したい。

https://covid19-yamanaka.com/sp/

(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」