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生徒指導~小学校段階での考え方~【第201回】

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正邪の見分け方

 メディアの偏りを小学校ではしっかりと教えてはいない。大人も教師も写し出される映像や流される音声、さらには活字に振り回されてはいないだろうか。
 さらに問題なのはテレビの司会者やコメンテーターである。報道の信憑性と迅速さは一致しないまでも、恐怖心を煽る悪質なものは少なくない。正邪の判断が実に難しい時代になっている。これを見分ける方法はあるのだろうか。

 私もこれまで多くの詭弁と放言に苦慮して来たが、一度は疑い、見えないものを深く感じる努力をするようになってきた。その為、以前よりは騙されにくくなったようである。
 こうした正邪の見分け方を4年生辺りで教えるべきではないだろうか。生徒指導や社会や総合そして道徳、倫理で扱う分野ではないだろうか。基本をしっかりと学び、疑い、考え、行動する。という訓練が求められているのである。

 和を尊ぶとは、単純に合わせるのではなく、自分のパートをしっかりと守る事にある。相手を真に思っているからこそ、言動から伝わるものである。メディアの司会やコメンテーターをもっと疑い、時には放送局へ意見を送るなど、一方通行のメディアの傲慢さを許さず、襟を正させねばならない。私利のため経済至上主義を優先し、子どもや教育を犠牲にする悪質な動きを、厳しく監視しなければ、自らも加担したことになる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~