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コロナ時代に考えたい学校問題【第74回】

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大人の社会を省みる

 何のためか。ここが様々な組織や取り組みの中で曖昧なことがあまりにも多い気がする。「何のためか?」と聴かれてハッとする。曖昧なために答えられない。答えてはじめて、自分のズレに気付く。更には、その虚しさに我に帰る人が多いのは、何故だろうか。
 そうした事を考えたりしない学びや生活、環境になっているからなのではないだろうか。根幹を教えるのは、本来なら家庭であって欲しいが、出来ないならば学校でしたい事である。
 先日、とてもよい授業を参観させてもらえた。その内容は45分ではある意味、無理矢理か、はしょるかしないもので、終わらない内容が子ども達の発言から感じられた。出来るなら、このまま授業を延長して学びを続けて欲しいと思った。
 小学校の授業は、原則45分となっている。軽重をつけながら計画を立てるが、想定を越えて広がり深まるのが生きた授業である。
 子どもが腰を上げて、前のめりになったときは、没頭させるチャンスであるのだから、一生忘れられない授業になるチャンスなのである。
 醜いのは、国会で腕組みをして寝ている議員の姿である。子どもに映像で見せて、ああなりたいとは誰も思いはしない。もたれ掛かって、ふんぞりかえって見える。大人の悪いニュースばかりテレビで見せられる子どもに、良くなれと言ってもクスッと笑われる気がする。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題