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コロナ時代に考えたい学校問題【第97回】

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教員による生徒の毛染め

 教員が生徒の髪の毛を染め、人権侵害と騒がれている。本人の同意なしに強制的に染めたとして「本人の心情を考えたら、とんでもない」と、弁護士も教育評論家も糾弾している記事がある。
 ルールとマナーの立て分けがされていないと、こうした問題が表面化しやすい。本校の卒業式はこういう形で執り行います、よって、必ず従って下さいと示して、それが承服できないなら参加しなければよいだけの事である。
 学校からの注意が重ねてされていたとなると、本人の認識では問題ないとしても、基準は主催者の学校が決めるものであり、指摘されて嫌ならば式に出なければよいことになる。それを時間が迫っていたので受け入れたとなれば、染めてもらうことになるのではないだろうか。

 以前、こうした事は全国の中学でもよく聞かれた事であり、男子などは坊主頭にされて卒業式に出席したという話はそこかしこで聞かれた。
 確かに教員による不祥事が止まない。教師になる前の青年期の教育にかなりの要因があると私は指摘したい。ただ、教育がおかしいようにストーリーが意図的に作られて報道される事は少なくない。
 教育者は事実とは反していても散々叩かれ我慢しなければならないのだろうか。今回のケースは詳細が分からないために判断は出来ないが、時には、名誉毀損等で訴え返す事も必要な時代になっているのではないだろうか。
 私が校長の頃、暴言や詭弁を吐きまくる保護者がいた。教委も困っていた。所謂、脅しの名手であった。私を訴えるとしたので、私が名誉毀損で訴え返すと教委へ報告したところ、案の定の回答が返ってきた。どうしたことか、この保護者はその後、私の前に姿を見せなくなった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題