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コロナ時代に考えたい学校問題【第147回】

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欲望のコントロール

 教師の不祥事、特に「性」絡みの記事が毎日のように掲載されている。未遂や隠蔽、さらに示談などを含めるととんでもない数になるかもしれない。下世話な言い方だか、「下の始末」ができないというか、欲望に動かされてしまう未熟な精神発達により信じられない幼稚な言い訳が際立っているように思える。
 若い頃、後輩が客引きに誘われて店に入り、座っただけで7万円も取られたと苦くて高い社会勉強代の話を吐露してくれた。私にも同じような経験がある。危ない経験の中から、自分の中にある欲望をコントロールすることを学んだ気がする。
 性欲のおもむくまま、少女や少年を犠牲にしている。過去の歴史の中には、そうした実態もあったようだが、健全な性欲の処理やコントロールではない。
 私は前にも触れたが、生徒進路指導論の中でこの事にしっかりと触れて講義している。そうでないと誰からも教わることはないし、是々非々がわからないままに外見は大人になってしまうからである。その歪さは外見では見えないのである。
 さらに厳しく指摘するのなら、そうした事を教員養成の段階で最低でも5時間以上を掛けて具体的に教えなければならない状況にあるのではないだろうか。すなわち、予防プログラムを課程の中に組み込むと言うことである。その軽率な行為により児童・生徒の人生が犠牲になり、他の多くの誠実な教員への信頼が一挙に不信に変わるのだからたまらない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題