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コロナ時代に考えたい学校問題【第181回】

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いじめへの「抗体」

 学校内のいじめは少なくなっても、社会にはあらゆるところに、いじめが存在している。ならば、学校にいる間に、いじめへの抗体のようなものを作っておくことが必要なのではないだろうか。
 では、どのように作ればよいのか。違和感を持ったときに、それを表現できる訓練が必要なのである。この違和感は、人によって異なるから、それぞれの自分の耐性レベルに応じてアクションを起こす。それを「私のストップモーション」と呼ぶ。
 これは相手に手のひらを見せて拒絶するジェスチャーであり、このやり取りを繰り返すなかで、それぞれが共通の違和感や異なった違和感を持っていることに気付く事になる。この手法は奇数の人数で行うことにより、第三者の心情が理解できる。第三者からもストップモーションを何時でも出してよいとする事がポイント。これを学期の始めに時間を確保して徹底する事が肝心である。
 このような対応が定着していくと、学校外や家庭にも浸透して行くことになり、地域が変容を始める。
 また、バディとして異年齢のきょうだいのような関係をつくることも有効である。相談され、相談できる関係を校内で作って信頼の相互関係を構築しておくことにより、いじめも早期に分かり解決につながる。児童生徒の信頼度から選定して適任の教員を「対応教員」として学年ごとに位置付けるのが理想ではあるが、事案は複数チェックを原則とする。このようなシステムを浸透させることが現在のいじめ対応には欠落していると指摘したい。
 どこの学校でも、お呼び頂ければ必ず成果をお示しできると確信している。手遅れになる前に、気軽にご相談願いたい。問い合わせは、日本教育新聞社へ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題