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生徒指導~小学校段階での考え方~【第25回】

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欠席対応の違いに見える意識

 大学の講義に欠席した学生に私は必ずメールで状況を確認するようにしている。私としては当然のことであるが、大学では珍しいことらしい。高校や中学校ではどうだろう。無断欠席はあり得ないのが私の基準である。特に小学校では会いに行くことを原則にしてきた。それは自ら発信のできにくい段階だからである。
 昨日も風邪で休んだからと、連絡もせずに確かめなかった教員を呼び寄せて、電話も出ないなら私が授業をしておくから、即家庭訪問するように促した。何でそこまでと思う心が表情からも見てとれた。すると、緊急連絡が入った。借金取りが来てドアが壊され怯えていたことが分かった。すぐ警察を呼び対処できた。こうした事例は少なくない。電話では分からない。
 人権や人命尊重等の生徒指導の基本は、問題解決ではなく、問題の種が落とされないように、発芽しないように、手遅れにならないように、労をいとわずに足を運ぶことであると私は説いてきた。その姿勢は相手が大学生であっても誰であっても変わりはない。変える意図が私には分からない。気になる時は、忙しくとも遠くとも「会いに行く行動」に後悔は残らない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~