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生徒指導~小学校段階での考え方~【第108回】

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自然への畏敬

 想定外のできごとは想定内と捉える訓練が必要である。具体的には、子どもの事故や事件はそうして起きる。教師の不祥事も同様と言える。
 人の思考はほとんどが想定外なはずであるが、慣例や流れから想定内とする傾向がある。これはそうあって欲しいからと考えているためであり、地震や天候や地球そして私たちの身体も変化へと動いている。

 慣性の法則やエネルギー保存の法則は絶対のものかと問われたらどうだろうか。動物には生命の危機を察して行動する野生の感性が備わっているから命をつないできている。人間にとって命の危機はまだまだ考える必要がないのだろうか。
 資源の奪い合い、そして廃棄という循環で地球生命体全体の危機へと加速度をましている。
 また、資源の奪い合いで何百万人が殺され、殺し合っている地域がある。その産物として私達は携帯電話を使っている。

 SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みはまだ始まったばかりだ。生徒指導には自然への畏敬の念を押さえる側面がある。それは学問のエリアに止まらず、行動を促す意味合いを持っている。
 一人も見捨てないという人権意識の行動はまだ、初動の域なのである。生徒指導に当たっても、けんか、風評、犯罪、無関心を許してはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~