先行き不透明な時代を生き抜くための探究学習への提言
13面記事
渋谷 一典・杉本 任士・渡邉 信隆 編著 北海道教育大学チーム探究 著
座学に終わらぬ段階的な学び
各学校では、創意工夫しながら「総合的な学習(探究)の時間」を実施している。「正解」主義、知識の習得・再生産を重視する受動的な学習スタイルからの脱却を図る努力をし、教師の授業観も変わりつつある。しかし、実際には、表層的な「問い」、表面的な調べ学習、調べ学習の発表会に終わるなど、「偽物の探究」にとどまっている例が少なくない。
著者らは、探究の質を高め「本物の探究」を意図するプロジェクトチームのメンバー。異なる領域を背景に持つ研究者・実践者たちなので、「探」「究」の語源から論を展開したり、観光学からアプローチしたり、生成AIの可能性を探ったりと多様な視点から、事例も交えて探究学習の本質に迫ろうとしている。
本書では、調べ学習を本物の探究に変える2段階構成による「スパイラルの学び」を提言。ファーストサイクルで知ることを通して視野を広げる学びをし、セカンドサイクルでは、課題を更新し、情報や思考の質を高め、「座学に終わらない学び」をして、社会の当事者として生きる力を育てようとする。
探究学習は学習設計や地域との協働など教師の総合力が試される。その基盤として学校全体の支援体制が必要であり、学校組織に「探究する文化」を育てることを強調。教師間の対話と共有を大事にし、学び続ける専門職になろうとメッセージを送る。
(2200円 中村堂)
(正)

