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翁―大名細川家の能の世界― 永青文庫で開催

9面記事

企画特集

重要美術品 「翁(おきな)(白色尉(はくしきじょう))」「日光作/満昆(花押)」
金泥極 室町時代(15世紀)、永青文庫蔵、前期展示

 江戸時代に肥後熊本54万石を治めた大名、細川家に伝わる国宝・重要文化財を含む9万点以上の文化財を所蔵する永青文庫(東京都文京区)は、今年、財団設立70周年を迎える。これを記念して「翁―大名細川家の能の世界―」(主催=翁プロジェクト実行委員会、文化庁他)を開催する。
 室町時代に観阿弥・世阿弥父子が大成した能は、日本の代表的な古典芸能として海外でも高い評価をうけている。
 細川家では、初代・細川幽斎を始め、歴代の藩主が能の文化に心を寄せ、藩主たちも自ら舞台に上がった。そのため、細川家の拠点となった熊本や東京には、能面・能装束・楽器や小道具など約900点の能楽コレクションが伝来している。
 能の原点ともいわれる演目「翁」は、翁面をかけることで演者は神になり、その舞によって世の安泰を祈願する特別な演目。本展では「翁」を起点として、能に流れ込む祈りと信仰、それらを背負ったさまざまな神の存在や意味を、細川家伝来の能面や能装束を通して探求する。併せて細川家と能の密接な関係を示す貴重な歴史資料も展覧する。
 日本博「主催・共催型プロジェクト」のうち「翁プロジェクト―能楽の原点から日本を探る」の一環として開催される本展を通して、日本の多彩な能・翁・神の世界を鑑賞したい。

【展覧会概要】
 名称=令和2年度夏季展 財団設立70周年記念「翁― 大名細川家の能の世界―」
 会期=前期7月23日(木・祝)~8月10日(月・祝)後期8月12日(水)~8月30日(日)※休館日は月曜日(ただし、8月10日(月)は開館、8月11日(火)は休館)
 会場=永青文庫 (東京都文京区目白台1―1―1)
 開室時間=10時~16時30分(入館は16時まで)
 ※会期、開室時間などは最新情報を確認。

 美術館公式サイト http://www.eiseibunko.com


「薄黄紅縹白段桐(うすきべにはなだしろだんきり)藤杜若模様縫箔(ふじかきつばたもようぬいはく)」
江戸時代(18世紀)、永青文庫蔵、前期展示

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