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管理職1年目に知っておきたい できる教頭・副校長が定めている60のルール

12面記事

書評

中嶋 郁雄 著
取り組みやすく本質押さえた提言

 読み始めて十分もたたないうちに、本書を薦めたいと思った。実は、若かりし折、尊敬する上司が管理職を目指そうとした評者に教えてくれた言葉と同じ内容が示されていたからである。それは「(仕事は)早き良し、丁度危うし、遅き悪し」「頼まれた仕事を断るな」「(仕事に)雑用はない。雑にしようとするから雑用になる」というものだった。本書に提示されたルールにも一致する。
 以来、それらの言葉を評者は至言と心得て現在まで生きてきたが、その恩恵は計り知れない。本書の提言も多くが読者にとって至言となるように思える。しかも、難しい、受け入れ難いといったものは一つもない。むしろ、「えっ、これならできる」と思うことの方が多いはずだ。
 加えて、提示の方法が分かりやすい。一項目2ページ、▼印で示された小見出しがズバリと要点を表している。例えば43項の「気軽に相談せよ」では、「人として素直に」「仕事の効率化のために」「人脈を広げる」の三つといった具合である。文中のゴシックが要点を補強する。
 著者は執筆の動機を「管理職の仕事の素晴らしさを感じ、やりがいと充実感を持ってほしい」ためと述べておられる。初の管理職を迎える皆さま、本書によって緊張を緩和して笑顔の日々を過ごしてください。祈・ご活躍。
(2090円 明治図書出版)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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