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一刀両断 実践者の視点から【第150回】

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教員免許持たぬ社会人が受験可能に

 東京都が教員採用試験の社会人枠で、受験資格を緩和したという。大舵を振るったと言える。教育現場からすると遅いと感じられるが英断であろう。
 教員免許の所持に関係なく教員試験を受けて採用された後に免許を取ればよいとした事はある意味、教員免許の必要性を再考する機会となる。
 自動車の運転で考えると、タクシー運転手の採用などは採用後に2種免許を取らせてくれる仕組みがある。候補者確保の面で、都教委の方策は有効だろう。
 気になるのは、免許取得のための単位修得の意味である。技術や知識を教えるだけであれば、やがてはAIができるようになるだろう。
 私は、この秋から、人間力育成講座を麗澤大学で開講する。現状の教員養成課程では補えない、教師として、人間としての魅力を引き出す前代未聞の講義にするつもりである。
 三日月も、半月も、新月も、実像は丸い月である。実像を浮き彫りにして、過信ではなく自信を持たせて、変化に柔軟に対応できるしなやかさと、変化にぶれない継続性を身につけさせるシラバスが完成した。
 問題は養成方法にある。魅力的なひとりの教師は、万の影響を与える事が出来る。そんな思いで教師は児童・生徒そして学生に命を吹き込んで欲しいものである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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