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教職科目、中学校の理科実験を統合 検討委で大筋了承

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中教審

 中学・高校の教職課程の教科専門科目の見直しについて話し合う中央教育審議会の検討委員会は21日、議論のまとめ案を大筋で了承した。中学校理科では、物理・化学・生物学・地学それぞれにある実験科目を一つに統合する。文科省は9月中にも免許法施行規則を改正し、大学に周知する考えだ。
 中学・高校の教職課程では、教科の専門性を深めるための「『教科に関する専門的事項』に関する科目」が置かれ、一種では最大20単位、二種では最大10単位を履修する。ただ、これまで大学の単位設定で、二種免許状の取得に10単位以上を取らなければいけない場合があった。複数の教科や校種の免許併有を促すため、昨年12月の中教審答申で一部の教科で内容を見直すよう求めていた。
 中教審では5月に検討委員会を設置し、その下に

 ・技術・情報
 ・理科
 ・家庭

 ―の三つのワーキンググループを設け議論してきた。
 理科では実験の扱いが焦点だった。現在の教職課程では、中高共に物理学、化学、生物学、地学の4分野を必須で学ぶ。実験科目は、中学校では4分野全てを、高校は最低1分野を履修することとしている。
 今回の見直し案では、中学校理科の実験科目を「物理学実験・化学実験・生物学実験・地学実験」と、4分野を扱う一つの科目に統合した。中学と高校で必要な単位数をそろえた。
 また実験科目には「コンピュータ活用を含む」と括弧書きしているが、コンピュータを使うのは現在では当たり前になっているとし、記述を削除した。
 中学校技術科では科目数を6から4に削減する。「材料加工(実習を含む)」は、各材料を網羅的に扱う必要をなくし、包括的に学ぶ科目とした。実習は、現在6科目全てで必須だが、材料加工と機械・電気の2科目のみ必須にした。
 高校情報科も6から5に削減する。情報と職業を再編し「情報社会(職業に関する内容を含む)・情報倫理」とした。
 家庭科では高校免許取得に必要な「家庭電気・家庭機械・情報処理」を削除した。「被服学(被服製作実習を含む)」の「製作」、「住居学(製図を含む)」の「製図」の文言を削除する。
 実習を含むことが明記されていない科目での実習の扱いは、教員養成の目標などを踏まえ、各大学で判断するとした。
 文科省は8月に開く中教審の教員養成部会で報告する際に施行規則の改正案も示す。パブリックコメントを行った上で、9月中にも改正する方向だ。

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