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生徒指導~小学校段階での考え方~【第34回】

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笑いを興して、コンパクトに教える

 日本人の文化として相手を信じて頭を下げる。また、仏教では相手の命を敬い礼拝する菩薩の行為である。会釈や黙礼も同様の意味がある。この姿を習得させようと学校目標にしている学校は多い。目標にせずとも出来る資質を引き出し、教師の振る舞いからまねをさせたいものだ。
 ここで今一度、あいさつを考えてみたい。まずは身近な家族から始まり、ご近所の方、友達、先生そしてまた家族へとつながる。1年生は理屈より形式から入る。しかしそれでは身に付かない。そこに他の要素を加えるとあっという間にあいさつの声があちこちから聞こえ始める。それは元気と明るさとユーモアである。子どもはこの三要素に食いつくものである。
 具体的には、「あいさつの『あ』は」と子どもたちに元気で大きな声で問い、「明るく」と返してもらう。「まだ、暗いよ」と言うと、なぜか「笑い」が起きる。再度やる。これを話の前に習慣化すると、あいさつは面白くなり必然的に定着する。こうした要素は生徒指導の中にも様々に応用することができる。ポイントは、「笑いを興して、コンパクトに教える」にある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~