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生徒指導~小学校段階での考え方~【第77回】

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土壌を造る

 まずは風体が他とは異なる。話し方も横柄で、自己の実績を過度に顕示して「どうだ」と威圧する部類の生徒指導関係の「猛者」がよくいた。
 警察や、はたまた「ヤクザ」が親族だとも豪語する。俺の親分は○○先生と話す。そしてその先生を祭り上げ、「俺はお前たちとは役者が違うんだよ」とでも言いたげな生徒指導担当が昔は多くいたように思える。

 さっそく、県警やヤクザ関係の調査をすると針小棒大と分かり、親分と称する先生と面談すると困られていた。「悪いやつじゃないんだがね」と恐縮されていた。
 こうした誇張された実績で私立校の管理職へと転身していかれる面々を多く見てきた。権力を誇示する者は権力に弱く、本質は実に臆病であるため、権力を欲しがる構図になるのだ。

 ガンジーやキング牧師の非暴力とは明らかに異なる部類である。人の強さを支える精神は外見でもなく、武力でもなく、個々を尊重する崇高なる精神にあり、権力で他を見下すことの愚かさと貧しさを感じられない者こそ、権威、権力や外見にこだわり、肩書きや財を求めるものである。
 その意味でも本来の生徒指導は、幼児期や少年期に、人道を基盤にしたしっかりとした土壌を造ることに最大の力点を置かねばならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~