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生徒指導~小学校段階での考え方~【第125回】

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空論は通用しない

 大学研究者としては異色の私を本学は迎え入れてくれた。2年目となる昨年7月には教授達の推挙で関東私立大学教職課程研究協議会の教員採用部会長の大任を拝した。すなわち実務型教員が求められていることがよく分かる。
 生徒進路指導論も担当しているが、日々の事件事故を題材に立場を替えて熱く議論し、反転学習やキャンバス外での渉外力訓練、さらに教採道場を設けて日常を鍛えている。

 学校現場を想定して実践的にシミュレーションしているため、多少の出来事には動じないレベルを目指して週3回、昼に短時間で演習を重ねている。教員としての資質を磨き、ストレス耐性も高め、学校現場で戦力になれる素地を培っている。
 何よりも使命感に支えられた豊かな慈愛から、より深く学び、一人ひとりを受け止める度量づくりを行っている。また、適正が合わない学生は面談し方向転換を勧めている。

 教員には不向きと分かっても辞めないし、辞めさせられない。だらだらと続ける傾向がある。やりたくない先生に教えられる子どもの不幸を思う。子どもを幸せにするのが学校である。
 私のような破天荒と評される者が、全県全校種の新任校長育成を依頼されて数年が過ぎた。対談方式のためいつどのような主題を振られるか分からない緊張感と笑いが好評である。「生」きる「徒」を「指」し示し「導」くのだから空論は通用しない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~