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生徒指導~小学校段階での考え方~【第128回】

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「人間力」を育成する時間

 謝罪しても職は辞さないと言う議員や首長がよく報道される。雇い主は国民であるのに、なぜ辞職しないのか理解が出来ない。不正をする人間に投票した人間はいないはずである。支持者の信頼を失い、法に抵触しても、税金をもらいながら仕事の出来る制度は論外ではないだろうか。
 さらに、退職していると返金さえも出来ない場合がある。倫理や道徳よりも政治や法が上にある証拠である。それを子どもにどう説明するのか。

 こうした人間を育てた関係者の顔を見てみたいと尊敬する識者が語った。そこに教師も入ると感じた。
 今、私達は倫理や道徳を子ども達に教えているが、こうした現実に説得力を失う。弁護士や医者と言えども、人格面での選考はないので、性根の悪い者でもなれる仕事である。
 根幹になる性根すなわち人間性はどこで鍛えるのか。そこがあまりに不明確である。その意味では、生徒指導と道徳と倫理を組み合わせた「人間力を鍛える時間」を全校種に設定すべきではないだろうか。

 米国のトランプ大統領はクリスチャンだという。本来の信仰に争いを求める教義はないはずである。攻撃する、される中に人がいる。その人には親がいる。その親にも親がいた。こうして今の自分がある。
 倫理や道徳のために法があり政治があるべきではないだろうか。すなわち教育のために社会がある。このベクトルの変換をするのは誰か、それはあなたであり私である。よそ見をしている暇はない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~