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生徒指導~小学校段階での考え方~【第146回】

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判断の仕方

 生徒指導には多くの判断が求められる。信頼出来る同僚に意見を求めても、その意見に誤認や何らかの意図があった場合は、大きな判断ミスを招く。耳障りのよい意見ばかりを聞けば気分はよいが、真実を見誤ってしまう。
 では、どのように意見を求めればよいのだろうか。私の場合、基本は俯瞰する自分も入れて3名の奇数を原則として意見を聴くようにしてきた。奇数がポイントになる。

 もちろん相談が必要のない時と必要な時がある。相談する際は、異質の意見を持つ者を加え、深く広く心の声を聴く事である。うわべの調子だけで共感したと思い込むのは極めて危険である。
 橋を叩いて渡る者や、勢いで進む者、さらには橋を造る者や泳いで渡る者もいる。様々な価値観の中で人は生きている。最後の決断は自分でせねばならない。そのせいか校長職経験者は早死にが目立つ。

 生徒指導の事案の対処は、前例を用いすぎると失敗する。思う通りにならないのが当たり前で、過去の経験がかえって判断の邪魔になることが多い。
 その意味では、児童生徒に年齢も近い若手の感性や感覚を積極的に取り入れ、大胆に意見を言わせる器量が管理職や年配には欲しい。いわゆる情報収集力、判断力がその人の実力と見てもよい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~