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生徒指導~小学校段階での考え方~【第161回】

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「ちょっといいですか」でいいのか

 いただけない言葉が最近増えている気がする。「ちょっといいですか?」「ちょっとお願いしたいのですが」「少しいいですか?」「ほんの少しだけ」「とりあえず」「今のところ」「すいません」を話の間を埋めるように入れる若者が増えているように感じられる。一度気になると、その使用回数を数えてしまうことさえある。

 「ちょっとならやらないよ」「ちょっとのお願いなら他の方へお願いしてください」「少しって、10秒くらい?」「少しだけって馬鹿にしてるの?」「とりあえずって、ばかり言うけど本気なの?」「今のところっていつまでなの?」「すいませんって何度か言ったけど、そんな悪いことをしたの、それを本当に思って言葉にしてるの?」と、切り返されたら閉口するだろう。

 このように、言葉の癖は知らぬ間に心の癖にもなる。児童の最大の言語環境は教師自身である。
 中学生の頃、失敗した恥ずかしさを「愛嬌、愛嬌」と誤魔化したとき、先生から諭すように、「こうした時に愛嬌等と言う言葉は使わないんだよ」と、指導を受けた。恥ずかしかった。
 それ以来、言葉を意識するようになった。特に生徒指導での言葉は重要に感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~