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生徒指導~小学校段階での考え方~【第196回】

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相手に自信を持たせる

 過信や慢心ではなく相手に自信を持たせることは、至難の技である。それは子どもでも大人でも同じではないだろうか。では、私達はどのように相手に自信を持たせる心配りや工夫をしているだろうか。
 相手に自信を持たせてこそ、自分に自信が持てるのではないだろうか。

 私を試してくれた教頭が、教委へあることないことリークし、他校では不祥事で何度も処分されながらも新任校長として他市へ出た。あり得ない酷い人事である。何故かこうした事は珍しくはない。これを悪しき人脈と言うのだろう。
 見方を変えればやった方もやられた方も哀れである。人の落ち度を探し、虚飾し、リークして昇進を手に入れる。自ずと姑息さは人相にも表れ、その後の人生も変えてしまう。

 指導の基本は、いかなる状況に置かれても「励まし」にある。叱責も励ましに繋げるためのものでなければならない。見捨てることなく、人道を指導することである。
 後に、その教頭が新任校長研修に参加していた。私は講師としてその教頭にも支えられた事を真摯に紹介した。会後に彼は照れ臭そうに挨拶に来た。良かった。やっと分かってもらえた。後ろ姿に心からのエールが送れた。指導力は相手に理不尽な対応をされた時の自らの振る舞いで試される。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~