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生徒指導~小学校段階での考え方~【第202回】

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「頑張って」に思う「感謝の本質」

 「大変だけど、頑張ってください」と言われると、嬉しくもあるが、寂しくも感じてしまう。「他人事なんだな」と感じるからである。上から目線の哀れみを受けているようにも感じてしまう。寄付を幾ら貰おうとも興醒めしてしまう。

 大切なのは、相手を理解する事にある。理解して、受け止めて貰えているか。それが生きる力になっていくものである。

 この経験を幼いときに何度も経験し、体感し、身に染み込ませる事が必要なのである。そうでないと何気なく「頑張ってください」と、突き放すわけではないが、言ってしまう癖がついてしまう。

 災害救援へ出向くと、いろいろなやり取りがある。理不尽な言葉もあれば、「有り難う御座います。助かります」と、手を合わせる高齢者の方も多い。反面、「頑張って!」と、他人事ではないまでも、そう言われるとガッカリしたのは私だけではないだろう。
 往々にしてこうした安易な言葉を遣うのは若い年代が多い。感謝の本質を教えられていないからである。今まさに心から相手を思って、丁寧に言葉にして励まし合う場面に直面している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~