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コロナ時代に考えたい学校問題【第38回】

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青年の自殺に向き合わねば

 学び方を変えるときが来ている。教員を変えるときが来ている。時代から取り残される状況が鮮明になっているからである。学力が優秀な人を生み出しているかもしれないが、自ら命を絶つ青年が相次ぐ。これは、誤魔化しようのない現実なのである。

 希望や夢を与えない教育が学校に蔓延している。楽しければ不登校は存在しない。つまらなくて、きゅうくつなのである。比べられ、責められるところへは誰も行きたくはない。

 誰がそうした環境を作ってきたのか。ここに教員養成や選考の在り方を指摘したい。
 現在の仕組みの中で育てられ、教え込まれた学生は、期待される力を身に付けて教員になる。そして、ほとんどが個性を隠し、失って、教委や保護者に怯えながら、仕事に追われる。自らも人間の本質からは程遠い成績優秀者を高く評価していくのである。

 プライドだけは高く、やって見せることのできない教員が主導する教育は今後の教育をさらに形骸化させて行くことになる。

 民間人の面接官を教員採用試験に導入したときの事だ。履歴書を一切見なかった。出来上がった人間よりも、今後伸びる人間を取りたいと言った言葉が今も忘れられない。

 ある時、答えを想定しながら「教職大学院を学校現場は評価していないですよ」と、著名な先生にメールを出した。「何を言ってるんだ。指導主事は、全員教職大学院へ行く必要がある」と、一喝された。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題