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コロナ時代に考えたい学校問題【第62回】

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仲間内での「処理」(1)

 守秘義務は、何のためにあるのか。それを破っても処罰されないことが、最近あまりに多いように思える。その意味では法の番人もかなり緩くなっているのではないか。
 職務を通して知り得たことを、安易に人に漏らしてはならないと私は教わったし、そのように指導してきた。しかし、その内容を自己保身の為に安易に公表する行為により、子どもの命が失われている。
 その因果を別物として、いつの間にか仲間内で処理する動きがある。悪意ある隠蔽や抹消は、今も続いている。

 私の子どもが不登校気味になったとき、私は校長として他の自治体の不正を職をかけて正していた。すると、子どもの学校の校長から、「先生、自分のお子さんが大変なのに、いろいろ騒がせない方がいいんではないですか?」と、暗にというか、あからさまに警告をされた。この校長の同期が、私の勤務先の学校を所管する教委の主幹であった。子どもの事は実に辛い。それを駆け引きの材料にするのだから、性根が腐っている。
 こうした輩が2度と出ないように新任校長育成講座を担当して6年目を迎える。新型コロナで初回は出来なかったが、秋以降は教室を分散して同時中継で講話を担当する。真のリーダーを育てる為に、表裏なく誠実に真剣に、そしてユーモアを加えて今年も務めたいと思う。対談者は徳川家の末裔である徳川文武先生、そして私が話すのは、地球を丸ごと捉える最先端未来の教室「地球村」を予定している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題