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生徒指導~小学校段階での考え方~【第127回】

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自己改革の大切さ

 生徒指導困難校の職員研修に呼ばれた。テーマも「自己開示による意識改革」と頂いた。
 こうした研修会の、参加者は取り敢えず聞いた振りをして、適当に時間を過ごすことがほとんどではないだろうか。講師の話を期待はしていない事がトイレ内の会話から漏れ聞こえる。また、著名な方の講演は、講演料の高額には驚くが中身が見合わないものが多く感じられる。さて私はどうなることか。

 主役は参加者である。来てよかった、気持ちが楽になった、元気をもらえた、明日からの意欲が湧きました、などが本音で連発しなければ講師を呼ぶ時間と費用が無駄になる。自己改革に始まって自己改革に帰着するのが、生徒指導の特質である。

 参加者に合わせて話を進めるため、シナリオはざっくりで、大半がアドリブとなる。物事の価値観や判断、そして誉められていない相互を誉め合う訓練をした。教育の職場にはどことなく猜疑心が漂うからである。
 話したい、聞きたいという衝動を仕掛けるには、ニヤニヤと悪戯心でやるといい。感想には、元気をもらえました、気が楽になりました、生徒を飛びっきりの笑顔で迎えます、などとあった。そして悩みも書かれていた。先生方の健気な頑張りが伝わってきた。今回も少しは役に立てたようだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~