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生徒指導~小学校段階での考え方~【第199回】

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基本は誠実な言動

 「すみません」を口癖にしている行政職員や教員は多い。
 「すみません」とは、どのような意味で使っているか理解していないし、心の伴わない不誠実さが政治家等にはあまりに多く、腹立たしさを越えて気分が悪くなる。本来、「未だ事は済んでおりません」の意味だとすると、済んでないのだから、この後どうするのかの方に視点が移行する。

 頭を下げて「済みました」ではない。「ごめんなさい」とはまるっきり違うからである。
 生徒指導の基本は、誠実な言動に尽きる。その表れは言葉ではないだろうか。「有り難う御座います」「助かりました」「申し訳ありません」など、その意味を理解して、丁寧に心を込めて話すことを意識している人と出会うことはない。傲れる言葉を使う事で、慢心を起こし自滅する政治家等はあまりに多い。

 教師は政治家の下にはいない。ある意味、政治家を指導し助言する位置にある。だからこそ、その自覚と自負と日々の鍛練がなければならない。
 実を伴わないで「先生」と呼ばれることは恥ずかしい。若手教員が増えるなかで、安易に迎合する人物は伸びない。反骨精神と協調性のバランスが取れ、誠実にして強靭な後継を育てるには、範を示しつつ、正しい身の振る舞いや言葉遣いを説諭する労を惜しんでは、己を越える人物は育たない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~