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生徒指導~小学校段階での考え方~【第15回】

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教科・指導

自分以上の人を育てる(下)

 よく、「のりしろ」を作れよ、「のりしろ」は自分から出すんだよ、と話すことがある。人は評価を気にするように育てられている。特に日本人は肩書きを持ちたがるし、堅持したい傾向がある。ある意味、戒名などが金額で左右されることからもその傾向がよく分かる。
 よい評価をされたいと力み過ぎ、普段の授業の方が遥かによいと思われる研究授業を目にする。もちろん緊張はするだろうが、何のための授業なのか、誰に評価をしてもらいたいのか、という視点がずれるとこうなる。評価は子どもたちにある。誰に評価をされることが本当なのかと立ち返えらせねばならない。
 批判的思考を意図的に訓練しなから研修や授業を構成しなければならないところ、それに慣れていない教師や学生は多い。すなわちイエスマンに育てられているのである。容易な批判ではなく相手を理解した上での批判である。不特定多数に認められるのではなく、本物の師に誉めてもらえる。そんな師に出会えた人は幸せである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~