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生徒指導~小学校段階での考え方~【第47回】

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判断力(3)

 発信機は、受信機を見極めて発信しないと全然つながらない場合が極めて多い。受信機の電源がオフの場合、電波が遠くて届かない場合、周波数が合わない場合などがある。すなわち受信機の様子が把握できていないと、いくら発信しても伝わらないし、労力ばかり増えて無駄になる。さらに受信機が壊れているとして見限るケースはあまりに多い。
 すなわち伝わってなんぼとなるのである。若い頃、職員室で「こんなにやってるのに」という愚痴を耳にする時があったが、この言葉が出るうちは校内の落ち着きは取り戻せず、次々と問題や課題が山積し、先生方と子ども不信感は増幅していったことを思い出す。さらに不信感を連鎖させる「毒」が口々に発せられて行った。
 その指摘をするのはベテランではなく、青年層の教師達であった。すなわち改善へ向かわしめたのは青年教師達だったのである。指導も助言もすべては、伝わらないと効果は期待できない。
 では、スイッチをオンにするにはどうするか、「聴きたい」と言う心情が必要である。距離感も大切であり、さらに周波数は同じ目線や土俵である必要がある。ダイアル調整は相手ではなく発信機からすることになる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~