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生徒指導~小学校段階での考え方~【第177回】

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「コロナ不登校」の心配

 教育課程実施の責任者は誰か。市町村教委か、教育長か。校長の専決事項である。
 よって隣の学校でも時間割が異なるし、年間の授業時数も学校毎に一律ではない。学級閉鎖や休校などを想定して年度始めに多めに授業時間数を確保している。
 しかし、今回の新型コロナ対応は想定外であるため、特例措置として授業時間数の縛りを外さざるを得ない状況にある。

 今一つ気になるのは、収束後の不登校の増加である。夏休みを越える程の突然の休みの中で、学習習慣のある者と、ない者との差は計り知れない。さらに経済の不安は親の心情にも、生活内容にも色濃く影響を及ぼす。余力のない家庭は自ずと苛立ち、その矛先が子どもへと向かいかねない危機がある。

 こうした事態の中で教師に出来る事は何だろうか。電話での安否確認もあるだろうが、物理的に連日は無理である。そこで可能なのはSNSに加えてハガキでのやり取りである。また、家庭訪問を兼ねたポスティングである。
 感染の危険が高まるとされる「三密」にはならない。一週間に一度位はしてみたい。「先生がわざわざハガキを送ってくれた。家のポストまで来てくれたんだ」と、教育者の慈愛溢れる行為はやがて相互の宝となるだろう。勿論、防備は万全の上での事、自分に出来る工夫を無理なくすればいい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~