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コロナ時代に考えたい学校問題【第63回】

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仲間内での「処理」(2)

 昨日の本欄の記事を読んだ妻が、驚くべき事実を語ってくれた。

 その校長の不適切な行為の中には、人権侵害にも至る所業があったのだ。県の生徒指導室から困難な中学を立て直す意味で配置されたらしいが、やることは教師の賛同も得られることなく強行、独善であったことが分かった。
 問題を起こした生徒の親を一同に集めて、全職員の前で説明を求めたという。いわゆる懺悔を強いたのである。会はそれだけで終了した。
 対策や助言も一切なく、あまりの理不尽さに妻は「これだけですか」と、校長へ質問をしたそうである。返答はなく、担任からも「酷いですよね」と、謝罪があったという。
 やがて妻が困難校の生徒指導部長になって、その校長に再会した折に、いつぞやはと切り出すと、すっかり忘れている振りだったという。
 勿論、校長の言い分もあるだろうから、一概には言えないが、生徒指導の専門家は体育系と決めつけられることに一時期の傾向はあったとしても、その時代ではないことを改めて感じさせられた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題