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生徒指導~小学校段階での考え方~【第137回】

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教科・指導

経産省の躍動感

 これまでの縦割り行政では、時代のスピード感にはついていけない。現在、危機感が広がっている新型コロナウイルスの人から人への感染で、感染症への危険性は映画やバーチャルの世界ではなくなっている。本当に教えなければならないことは、何であろうか。また、考えさせねばならないことは、何であろうか。
 優秀とされるイエスマンを育てる教育であってはならない。家庭の教育力に期待できにくい現状はあるが、連携は探りたい。人としての根幹を自然に体得できるならば素晴らしいがそうはいかない。その不十分さから自分も含めて、そこかしこに年不相応に幼稚な大人が多く存在している。

 「生き方科」のような試みもあるが、なかなか波及しない。それを指導できる教師がいないからである。部活動には人づくりの一面もあるが、権力に魅いられて暴走する危険が常に潜んでいる。
 こうした閉塞感を打ち破る動きが始まっている。その動きや考え方にはこれまでにない躍動感がある。その主導は経産省である。文科省とも連携しながらダイナミックに、そして、実証実験やこれまでの制度の縛りを解放する取り組みを行っている。

 経産省の「未来の教室」をご存知だろうか。かなりのスピード感で風穴を空け始めている。生徒指導主任とは、こうした動きや取り組みに管理職よりも敏感になり、積極的に情報を収集し、よく咀嚼し、批判的に考え、行動する姿勢が求められる。
 時代の風を感じながら、自らも風を起こす存在だからである。行動こそ雄弁であり、経験や年齢ではない。見込みのある青年を抜擢して鍛えて欲しいし、自ら名乗り出る行動こそ、これからの生徒指導を担う資質と見たい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~