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東京・青ヶ島の学校から ~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第16回】

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英語を児童・生徒の「強み」にする

 「アーユーハングリー?」と教師が質問すると、「アイム、ハングリー!」と小学校1年生から3年生までの5人の児童が元気よく一斉に答えます。2回目の外国語の授業とは思えないような反応の良さです。そして、「ハンバーガー」「ピッツァ」など、それぞれの児童が知っている食べ物の英語名を叫びます。どの子も活き活きと発声し、英語が口から出るのを喜んでいるようでした。
 青ヶ島小中学校では、9年間を通して世界でも通じるような英語力を身につけるという目標をもち、今年度より小学校1年生から外国語活動を始めました。この日は、1年生から3年生までの5名で行いました。「ワット、カラー、ドゥユーライク?」と、好きな色について友達と会話をしたり、教師の弾くギターに合わせて英語の歌を歌ったり、45分間英語漬けでした。児童は家に帰った後も、習った英語の言葉を弟に教えていたとの話を保護者から聞きました。児童にとっては、日常の生活にも影響を与えるくらいインパクトのある授業だったようです。
 別の日の授業は、5年生1人だけで行いました。教師と児童がそれぞれテニスのラケットを振りながら、会話を行います。「英語の会話はテニスのラリーと同じ。来たボールを相手に返すように、相手の質問に答えて、さらに質問で返せるといいね。」と、会話の流れのイメージをつかませます。続けていると、徐々にスムーズなやり取りになっていきます。昨年流行した歌「パプリカ」の英語バージョンを音楽に合わせて口ずさむことも行います。
 どちらの授業も教師はほとんどを英語で話しかけ、日本語で説明をすることはしません。また、英語を楽しいと感じさせるために、クイズをしたり、ゲームをしたり、歌を歌ったりと、教師が時間いっぱいパフォーマンスを行います。英語を話すことに意識を向けるのではなく、英語はコミュニケーションのための手段であるという意識を体感させる授業です。小学校の英語を指導する西浩明教諭は、英語の授業を行うにあたって大切にしていることを次のように語ります。
 「歌や遊びを通して英語に触れさせることで、児童たちの普段の遊びの中でも英語が聞かれるようになればうれしいです。そうなったとき、児童は英語という言葉をきっと真に身近なものに感じてくれると思うからです。」
 近い将来、青ヶ島の児童・生徒の強みは「英語を話せること」と自慢できる日がくるかもしれません。
 ※新型コロナウイルス感染症対策として、マスクを着用し、十分に距離を取って、授業をしています。
(木下和紀・青ヶ島小中学校 校長)

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